お墓を建てる必要性と考えるべきこと
お墓は、ご先祖様の存在や自分自身のルーツに触れられる場所です。お墓参りを通じ、日々の暮らしに感謝し、自己を見つめ直す機会を持つことができます。遺骨は、必ずしもお墓に納める必要はないため、お墓の必要性についても様々な価値観が存在しますが、トレスフルな社会において、その意義を改めて認識する必要があるのではないでしょうか。
お墓を建てる必要性
故人を供養し感謝の気持ちを伝えるお墓参り。お墓は、祈りの象徴であると同時に、私たち一人一人の命がご先祖様から受け継がれてきたことを実感できる場所でもあります。
日本では、お盆やお彼岸時期の霊園には、たくさんの家族がお花やお菓子を持って訪れる姿が見られます。また、心の拠り所としての意味合いも強く、近況報告や悩みを相談するためにお墓を訪れる人も少なくないはずです。
その一方で、「お墓参りなんて行く必要がない」、「維持管理が大変だからお墓を持ちたくない」などといった声も聞かれますが、こうした古くからの習わしを子や孫の世代にまで伝えていくことにこそ、大きな意義があるのではないでしょうか。
お墓はいつ建てるべきか?
お墓を建てる時期について定めた法律は存在せず、お墓を建てる人の都合で自由に時期を判断しても何ら問題はありません。
例えば、お墓がない状態で家族が亡くなった場合は、葬儀から1年~2年以内(1周忌~3周忌まで)にお墓を建てる人が多いようです。
納骨しない状態で遺骨を安置させるのは、故人に対して失礼と感じる人も少なくないかもしれませんが、墓地選びからお墓の工事完了まで、最低でも2~3カ月はかかります。
後々、後悔しないようなお墓を建てるためにも、余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。
ただし、お墓を建てる霊園・墓地によっては、「永代使用権取得から1年以内に外柵を作ること」、「遺骨がある状態でしか利用申し込みができない」といった条件を設けている場合があるため、あらかじめ要件を確認しておくことが大切です。
生前にお墓を建てるのはあり?
もちろん、生前に自分のお墓を建てる(生前墓)ことも可能です。「生きている間に死んだ後の準備をするなんて縁起が悪い」というイメージもありますが、決してそうではありません。
中国では、古くから生前に自分でお墓を建てる行為を「寿陵(じゅりょう)」と呼び、大変縁起が良いこととされていました。最近では、「残された家族に(お墓を建てる)負担をかけたくない」、「自分が入るお墓を自由にデザインしたい」という思いから、生前にお墓を建てる人が増える傾向にあります。また、お墓は課税の対象とならず節税効果が期待できるのも理由の一つでしょう。
先祖代々のお墓を承継する、あるいは自分のお墓を持つことを決めたら、今一度、お墓の意義について考えてみてはいかがでしょうか。家族や親戚、お子さんが集まるタイミングで、じっくりと話し合ってみることをおすすめします。