終活で注目される「墓友」って何?
最近、「終活」などとともに目にするようになった「墓友」という言葉があります。墓友とは一体どんな友達のことなのでしょう。理由を知ればあなたも合理的だと思うかもしれません。そんな墓友事情について解説します。
墓友とは?
墓友と聞いて思い浮かべるのはどんなイメージでしょうか。もしかしたら一緒にお墓に入る友人という意味か……と何となく予測できた人もいるでしょう。ただ、墓友はもとから仲の良かった親友などと墓地に入ることではありません。夫婦や親族と入るということでもありません。
どちらかと言えば、亡くなられた後に共同墓地などの同じ墓に入ることを前提に知り合って交友関係にある友人のことを言います。
墓友が増えている背景
では、なぜこのような墓友なるものが流行っているのでしょうか。理由は次のとおりです。
お墓を継ぐ人がいない
自分が死亡したあとはお墓の管理をしてくれる人がいない、というケースが増えています。単純に子供がいない、一人暮らしで身寄りがないという人もいれば、地方暮らしで子供はみんな東京などに出ていって暮らしているという人もいます。いずれにしろ、お墓の承継者がいなければ、先祖代々の墓に入る意味はなくなります。
承継者に迷惑をかけたくない
子供はいるけれど、お墓のことでこの先ずっと迷惑をかけたくないと考えている人もいます。子供の数が減っていることもあり、お墓を管理・維持していくのはなかなか大変です。先祖代々の墓をなくしてしまえば、子供たちの負担が減ると考える人は意外に多いようです。
その一方で共同墓は増えています。共同墓の管理者は寺院や社団法人、NPO法人、企業のこともあります。承継者がいなくても購入可能で、亡くなられた後の管理は第三者に任せられ、遺族がお参りにくることもできるので合理的です。
墓友のサークルとは
では、墓友はどうやって探すのでしょう。自分で探すことができれば良いのですが、同じように共同墓に入りたいと考えていると都合よく出会える機会はそうそうないでしょう。
そこで、そんな人たちのために、墓友を探すためのサークルがあります。共同墓を運営管理している社団法人やNPO法人が作っているサークルで、定期的にイベントを開催して、墓友を見つけやすい状況を作っています。
似た目的を持っている人同士が集まるので、仲良くなれる人が探しやすいというメリットもあります。また最近では介護施設やサークルをつくるNPO法人が共同墓を設置するケースも増えているようです。
共同墓を検討する際の注意点
共同墓を選ぶときは、次のことに気を付けましょう。
運営元を確認する
運営元の社団法人やNPO法人がしっかりしたところなのかも気になるところです。管理をきちんとしてくれるのか、仮に経営状態が悪くなって廃業などになったときにはどのような対応をしてもらえるのか、きちんと確認しておきましょう。
費用(会費)と期限
料金体系ももちろん確認しましょう。共同墓は運営元によって内容が異なり目安となる相場がまとめにくいものです。そのために、どのぐらいの費用で、いつまで費用がかかるのかを確認しましょう。それにより設備や埋葬方法などを比較するとよいでしょう。
個別埋葬か合葬か
設備や埋葬方法を比較する際に、大きな差異は個別埋葬か、合葬かです。個別埋葬であれば、個別に手を合わせられる場所がありそれに向かい供養がでるでしょう。しかしながら合葬の場合は共同の碑があるのみで、親族が集まることがあってもそこに向かって供養をするのみです。また一度合葬されてしまうと遺骨を戻すことはできません。運営元によっては、一定期限までは個別埋葬で、期限が過ぎると合葬するところもあります。このように埋葬方法については最初に確認しておくべきでしょう。
供養方法の確認
さらにどんな供養ができるのか、執り行ってもらえるのかについても確認しておきましょう。決まった日取りに読経をしてもらえるところ、仏花を用意してくれるところ、個別に法要が行えるところなど、こちらも運営元によってさまざまです。
終活をする際は自分の入ることになるお墓についても考えるものです。共同墓も選択肢の一つになり得るでしょう。しかしながらもし家族がいる場合には事前に相談しておきましょう。自分のお墓だからと勝手に決めてしまうのはよくありません。家族によっては、共同墓に入ることに抵抗があるかもしれません。価値観をまずは伝えた上で選ぶようにしましょう。