墓石の種類と産地について
墓石に使う石材は、見栄えの良さだけではなく、強い日差しや雨風にも耐える強い石材を選ばなければいけません。国内産の石材は、大変品質が良く日本の風土によく合った石として定評がありますが、海外から輸入されるものにも、国内では手に入らない素晴らしい材質のものが数多くあります。
お墓を建てる土地の気候や環境によっても、石材選びの条件が変わってきますので、石材店に相談しながら選定することが大切です。ここでは、墓石の種類と産地について詳しく見ていきましょう。
墓石の産地の傾向
墓石に使う石材の種類は、国内外におよそ数百種あるとされています。産地によって特徴が異なり、墓石には、その土地の気候にあった石が選ばれる傾向があります。
日本国内では、重量のある石材を輸送するのが困難という理由から、その土地で採掘された石を墓石に用いるのが一般的でしたが、最近ではインド、南アフリカ、中国など、さまざまな国で採掘された石材が輸入され流通しています。
たくさんの種類がある中、どれを選んだら良いか悩みどころではありますが、産地だけにこだわらず、まずは色々な石材に触れ、材質、耐久性、色合い、価格などを見比べてみることをおすすめします。
また、お墓を建てる土地の気候によっても、向き不向きがありますので、石材店のアドバイスを参考にしながら検討していきましょう。
墓石によく使われる石の種類
墓石に多く使われている石は、「花崗(かこう)岩」、「安山(あんざん)岩」、「斑(はん)れい岩」「閃緑(せんりょく)岩」などがあります。世界各国で、これらの石材が採掘されていますが、それぞれ色合いや材質は、採掘される国ごとに千差万別です。
国産石材の種類と特徴
日本では、石材が採掘されない地域はないと言っても過言ではないほど、各地でさまざまな石材が採掘されています。
白色系、灰色系、黒色系、ピンク系など、石材の色合いも種類豊富です。海外から輸入される石材に比べ、格段に耐久性が高く、年を重ねるごとに違った表情を魅せるとして親しまれています。
安価な輸入石材に押され需要が少なくなる傾向も見られますが、確かな品質は、今もなお受け継がれています。
輸入石材の種類と特徴
輸入石材は、国産には見られない特徴があります。具体的なものをいくつか挙げてみましょう。
・中国産
海外から輸入される石材の中でも、国内で最も多く流通しているのが中国産の石材です。かつて、その品質が疑問視される時期もありましたが、最近では、国内産の石材に劣らない品質でありながらも価格が割安といった理由で大変人気があります。
・インド産
インド産の石材は、硬度が高く耐久性に優れているのが大きな特徴です。また、大変色艶が良く、その強い輝きが長期間に渡って保たれると定評があります。国内にはない、色の濃い石材も数多く採掘されます。
・その他の国
中国、インドの他にも、世界各国から石材が輸入されています。中でも、スウェーデンを産地とする黒御影石「ファイングレー」は、その硬度と綿密な仕上がりから世界最高峰の石材として扱われています。
アメリカからは、均一に入った黒雲母と青みが特徴の「アメリカングレー」、耐久性と茶色がかった色合いが特徴のアフリカ産石材、韓国からは、キメの細かい白色系の石材が多く輸入されています。
同じ種類、産地の石材でも、色合いや肌触りが微妙に異なります。国産だからといって高品質であるとは限らないため、産地だけではなく、硬度や吸水性にも配慮することが重要です。世界各国からさまざまな種類の石材が輸入されていますので、実際に見て石材を選ぶようにしましょう。